Tokyo 4月1日(日)
         
お金をかけないホームエジュケーション
 このような話題は、これまで取り扱った覚えがありません。
 ただ、教育にはお金がかかるとか、子どもを良い学校に入れるためにどれだけのお金をかけたかで、親の教育熱心についての尺度のようにみなされているよう なので、わたしの教育経験から、「ホームエジュケーションにはお金がほとんどかからない」という点をお伝えしたいと思いました。
 教育にお金をかけないから良いとかではなく、本当に必要とわかったところにはそれこそ投資をするように潤沢にお金をつぎ込むという考え方は間違っている のではないと考えます。
 ホームエジュケーションをはじめるのが、お金をかけずにすむ教育方法であるからというのは、これまであまり聴いたことがありません。米国情報でも、お金 があるからホームエジュケーションをするとか、反対にお金がないからホームエジュケーションを選択するというのも聴いたことがありません。
 お金をかけなければ良い教育ができないといわれているとしたら、「教育はもともとお金をかけておこなわれるものではない」というのがホームエジュケー ションから発信されているメッセージであろうかと存じます。
 我が家の3人の子どもたちは、幼稚園から大学まですべて学校に行かせる道をとりませんでした。積極的に行かせなかったのは、幼稚園から中学までの期間 で、高校生になる年代は、ホームエジュケーションからすると「成人」とみなされ、自活・自立するための準備とされるので、たとえば仕事のスキルを学ぶため に語学教室やパソコン専門校に行くということはありましたが、いずれも子どものたちばで自発的に探し、自分たちの必要に応じて、それも、自分たちが稼いだ お金で学資をつくったのです。高校生を過ぎるころには、親が積極的に教育のためにお金を費やしたことはありません。(いえ、厳密にいえば、長女がハワイに 短期留学したとき、父親から支援を受けたことは認めます。)
 考えたり、覚えたりするためのプロセスで、たとえば教室、机も必要ありませんでした。
 それに、教材と呼ばれるものは、ほとんど買ってあげたことがありません。普段つかう鉛筆や紙といっても、ノートのようなものを用意したことはあります が、特に学習用に買ったわけではなく、メモ書きのためにそれぞれに買い与えたくらいで、一冊でほぼ一年分。教科書はなく、必要な本はほとんどが公立図書館 のものを利用しました。図書館のリスクエスト件数だけでいうと、おそらく我が家がトップだったでしょう。
 子どもたちが、本のリクエストの出し方、予約の仕方を覚えたのが最初だったと思われます。公の本なので、絶対に書き込みをしないとか、次の人が読むとい う前提で、大切に使わせました。反対に、お金で買った本は、できるだけ自分のお小遣いで買わせるようにしました。公のものと私的なものの区別を教えたこと になります。
 子どもたちは、漫画本を買い、読み終えたあと、ネットオークションで売るなどして、オークションの仕組みを覚えたのです。インターネットによる売買の仕 組みを学んだと思われます。
 料理、洗濯、そうじ、買い物、家計簿など、家庭での生活は、さまざまな学びに満ちています。時間の管理、お金の管理、スケジュールの管理などです。文字 や計算などをあえて教室で学ぶことは必要有りません。すべて、「これは何」「これはどういう意味」「どうやって使うの」という子どもたちの疑問や質問に、 親が丁寧に説明するだけで良いのであり、子どもたちは、最初“親ができているあらゆるスキルのレベル”を習得するようになり、その後、親のレベルを乗り越 えるようになります。それで、親のもつ学歴にホームエジュケーションの結果は左右されないという米国でも検証されている事柄が、我が家でも事実となりまし た。
 長女は、医療事務の仕事に磨きをかけるために、自費でパソコン専門学校に行きました。長男はプログラマーですが、最初のプログラムの教材は図書館のもの ですませました。あとで自費で購入した本は、実際に仕事をはじめて、必要に応じてプログラミングの本を買いました。次男は、障害者の喫茶店で仕事を始めた とき、オーナーに出資してもらって免許をとりました。あとから、稼いだお金のなかから全額を返済したのです。
 お金をかけたら良い教育ができるというのは間違いです。必要なお金は、自分たちの力で稼がせるようにしなければなりません。自分のことは自分でさせるの です。教育の材料は、お金で買うのではなく、日常生活のいたるところに“転がっています”。
 いいですか! ぜんぶ、“ただ”か“100円ショップで買ったもの”ですよ。
 「空気」も教材になります。空気は見えないけれども存在しています。それを証明するのは風船です。空気をいれるとふくらむでしょう。風船は100円 ショップで売っているので充分です。空気がなんでできているか、説明するのは図書館の本です。ついでに空気を構成している元素とできれば元素記号も教えて あげてください。水も含まれています。「どうして雨が降るのか」「どうして雪や雹が降るのか」という地球環境の仕組みも学ぶことができます。浮かんでいる 風船と浮かばない風船がある?中に入っている気体が空気より軽いから浮かぶのです。気体と液体、それに固体という考え方も学べるでしょう。気体に重さの違 いがあるのだということも。風船を吹き込む息も空気ですが、体の仕組みは空気に入っている酸素を取り入れるようにできていますよ。何のために酸素が人体に 必要なのか学び教えてあげてください。
 人は空気をどのように利用しますか。小さなものなら扇風機。それに大きなものは飛行機。それがどのような仕組みなのかを教えることができます。
 いえ、親も知らないことばかりだとしたら、偉そうにしないで、いっしょに学んだらいいのです。
 なぜものが燃えますか。空気のなかに酸素が含まれているからですね。そんなことを学びながら説明すると、見えないものが存在しているという事実を教える ことができるのであり、そこから、クリスチャンにとって大切な信仰の基礎である「信仰とは見ていないものを見る」ことであると説明できるに違いありませ ん。
 どうですか、意外と簡単?・・・でもないかなぁ。