学 校教育法のホームエジュケーションへの適応が憲法違反となる場合
    
※この部分はブログに全文を書きましたので、そのまま引用します。
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 ウィキペディアにみる学校教育法の扱い方

 ウィキペディアに記載されたホームエジュケーションについての記載に気になるところがありましたので指摘しておきます。

 文部科学省のホームページには学校教育法の規定により「義務教育を家庭で行うことを認めていない」と記載されており、従って、日本国内でこれを行う保護 者は学校教育法に抵触する恐れがある。  

 ウイキペディアの書き方のなかにいくつかの問題があるのですが、一つはあるときホームエジュケーションについて国会で議員の質疑にたいしても管轄外とし て、明確な対応を示したことがなかったこと。ホームエジュケーションを志す親御さんたちは、直接には教育委員会の窓口対応に迫られるとき、行政の対応が不 明確さに悩ませられるのであり、対応できる受け皿がないまま、“ややこしいこと”は事実上自治体の教育行政に委ねられてきたというのがこれまでの実情で、 「ホームスクールは認めていない」といわれるとき、「学校教育法ではホームエジュケーションが禁止されている」と取り繕われることがあったので、ウィキペ ディアの言い方はそれを踏襲しています。このような場合、行政側の対応のほうが現行法に抵触しているのはあきらかなのでした。
 学校教育法とは教育基本法を日本で実現するひとつの方法としての学校教育について規定しているとみなすことができるのであり、憲法で規定された「普通教 育」について、学校教育についての規定しか存在しないとされるだけであり、「学校教育以外を教育としてこれを認めない」という意味ではなく、子どもを国家 の教育戦略から切り離し、無償で就学させるのは親の権利とされていて、かつて敗戦時まで存在した兵役義務と同じ性格をもってはいないのです。以下 の教育についての日本国憲法条文は「普通教育」とされ、学校教育以外のオルタナティブ教育にも余地を残しているとみられるところから、戦後体制のなかで法 的に未整備な部分があるとみなすのが自然です。

 第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 それゆえに、学校教育法にホームエジュケーションを禁止できるような拘束力があるとされるのは間違いです。
 学校教育についての規定は戦前の流れを踏襲して厳格に規定されているとしても、学校教育以外の教育について、規定があるとみることはできません。
 さらに問題点の一つは、文科省がどういう対応をするかという以前に、現行の「教育基本法」は、家庭教育について次のように述べます。
 
 (家庭教育)
第十条  父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであっ て、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2  国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよ う努めなければならない。

 どうぞ、この条文をよく読んでいただきたいのです。
 教育についての第一義的責任を有するのは親であると規定され、これは世界人権宣言とも一致しています。教育についての第一義的責任を負う保護者の義務 は、「教育についての義務」であり、学校に“登校させる義務”とはされていません。教育を受ける国家による保障として公立学校の制度が“強制”されている のであり、反対に公立学校には、 子どもや親を選択できる権利はありません。かえって、「国及び地方公共団体は、家庭 教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」 とあり、たとえば自主的にホームエジュケーションを志す親御さんの考え方について行政はこれを理解し、かつ場合によっては支援する体制を整えなければなら ないと読めます。

 11月23日のセミナーでも、(あまりたくさんの時間をとれないかもしれませんが)日本の教育制度と法律がどのような経緯を辿ってきたかをレ ビューしながら、これからホームスクールをおこなおうとする家族がどのような位置にあるのかを確認したいと思います。